富山の健康”知恵袋“

ダイエットにたんぱく質が欠かせない7つの理由──痩せながら筋肉を守る食事戦略

'25.07.28

たんぱく質がダイエット成功に直結するメカニズム

「何を食べるか」で減量効率は大きく変わります。たんぱく質は〈代謝アップ・筋肉維持・食欲コントロール〉を同時に叶える三刀流。まずはその科学的メカニズムを押さえましょう。

エネルギー代謝と食事誘発性熱産生(TEF)の向上

たんぱく質は摂取エネルギーの約20〜30%を消費して消化・吸収・代謝されます。炭水化物(約5〜10%)や脂質(約0〜3%)に比べて高いこの「食事誘発性熱産生」が、食べるだけで消費カロリーを押し上げる“隠れボーナス”になります。

筋肉量を維持して基礎代謝をキープ

筋肉は“代謝のエンジン”。ダイエット中はエネルギー不足で筋分解が進みやすく、基礎代謝が落ちて痩せにくくなります。十分なたんぱく質と適度な筋トレで筋肉を守れば、減量後も太りにくい体を維持できます。

食欲ホルモンをコントロールして無理なく減量

・満腹ホルモン「GLP‑1」「PYY」を増やす ・空腹ホルモン「グレリン」を抑える このホルモンバランスの変化により、自然と間食欲求が減り、カロリー制限のストレスが小さくなります。

たんぱく質不足が招く停滞期とリバウンドのリスク

摂取カロリーを減らすだけのダイエットは失速とリバウンドの落とし穴が待っています。ここでは「不足」が引き起こす代謝低下と食欲暴走のメカニズムを確認します。

筋分解による代謝低下

摂取エネルギーが不足すると、体は筋肉を分解して不足分を補おうとします。筋肉が減れば基礎代謝も下がり、同じ食事量でも体重が落ちにくい「停滞期」に入りやすくなります。

血糖スパイクが引き起こす過食衝動

糖質中心の食事でたんぱく質が不足すると、血糖値が急上昇→急降下し、短時間で強烈な空腹を感じる悪循環に。結果として「食べ過ぎ→脂肪増加→モチベーション低下」というリバウンドコースに直結します。

栄養不足による体調不良とモチベーション低下

たんぱく質はホルモン、酵素、免疫細胞の材料にもなります。不足すると疲労感・集中力低下・風邪をひきやすい等の不調が出やすく、継続の意欲がそがれます。

目安量はどのくらい?体重・活動量別の計算方法

「たんぱく質=たくさん摂れば良い」ではありません。体格・運動量に応じた適正量を知り、吸収効率の良いタイミングで分けて摂ることが鍵です。

1日の推奨摂取量早見表

* 体重×1.2 g:運動習慣がほぼない人の最低ライン * 体重×1.6 g:週2〜3回の軽い筋トレ・有酸素運動を行う人 * 体重×2.0 g:筋肉量を増やしたい、または高強度トレーニングを行う人
例)体重70 kgで週3回筋トレ:70×1.6 g ≒ 110 g/日

吸収効率を高めるタイミングと1回あたりの上限

* 1回あたり20〜40 g(体格・目標による)を目安に3〜4回に分割 * 起床後・トレーニング後は特に吸収効率が高い“ゴールデンタイム” * 就寝前のカゼイン系たんぱくは夜間の筋分解を抑制

たんぱく質を効率良く摂れる食品と選び方

食事は続けてこそ意味があります。動物性・植物性の特徴を理解し、外食やコンビニでも使える“高たんぱくチョイス”を武器にしましょう。

動物性 vs 植物性──メリットとデメリット

**動物性(肉・魚・卵・乳)** * 必須アミノ酸バランス◎ * 吸収が速く筋合成を促進 * 脂質・コレステロールの摂り過ぎに注意
植物性(豆類・大豆加工品・ナッツ)

食物繊維・フィトケミカルが豊富

低脂質・低カロリーで量を稼げる

リジンなど一部アミノ酸が不足しがち → 多様な食材を組み合わせる

コンビニ・外食で失敗しない高たんぱくメニュー

* 鶏むねサラダチキン+ゆで卵 * ギリシャヨーグルト+無塩ナッツ * 刺身盛り合わせ(醤油は控えめに) * 牛赤身ステーキ定食(ご飯は半分) * 豆腐チョップドサラダ+グリルチキン

プロテインサプリの賢い活用法

1. 食事で不足した分を“補う”位置付け 2. ホエイ:吸収速く運動後向け/カゼイン:ゆっくり吸収で就寝前向け 3. 人工甘味料の過剰摂取を避け、甘味控えめ・無添加タイプを選ぶ

実践例:1日の高たんぱく食事プラン

理論を具体的な「1日のスケジュール」に落とし込むと実践しやすくなります。以下は体重75 kg・週3回筋トレを行う人の例です。生活リズムに合わせてアレンジしてみてください。

朝(07:30)
ホエイプロテイン30 g+バナナ1本

昼(12:30)
雑穀ご飯150 g/鮭のグリル150 g/ほうれん草おひたし/味噌汁

間食(16:00)
ギリシャヨーグルト100 g+ブルーベリー

トレーニング後(18:00)
ホエイプロテイン25 g

夕(20:00)
鶏むね肉200 gのソテー/温野菜サラダ/アボカド半分

就寝前(23:00)
カゼインプロテイン20 g or 無調整豆乳200 ml

→ 合計たんぱく質:約150 g(体重75 kgの場合、約2 g/㎏)

まとめ:たんぱく質を味方につけて、効率的に痩せよう

ダイエットの本質は「減らす」より「守る」――筋肉を守り、代謝を守り、満足感を守る。そのカギを握るのがたんぱく質です。今日から“質”にこだわった食事で、リバウンド知らずの理想体型を手に入れましょう。