玉子は「生」と「加熱」で大違い?ダイエット中に知っておきたいたんぱく質の話

ダイエット中の食事で、いちばん悩ましいのが「何を食べればいいのか」ではないでしょうか。カロリーを抑えたいけれど、空腹に耐えるだけの食事は長続きしません。そんなときに頼りになるのが、身近で手に入りやすい玉子です。高たんぱく・低糖質で腹持ちもよく、しかも1個数十円という優秀な食材。さらに玉子には、あまり知られていない特徴があります。それは「調理法によって、たんぱく質の体へのいかされ方が変わる」ということです。この記事では、玉子がダイエットを助けてくれる理由と、その力を無駄にしない食べ方をご紹介します。

玉子がダイエット向きといわれる3つの理由

①たんぱく質が豊富に含まれている

Mサイズの玉子1個(可食部約50g)に含まれるたんぱく質は、およそ6gです。しかも玉子のたんぱく質は、体内で作れない必須アミノ酸をバランスよく含んでおり、その質の高さは食品の中でもトップクラスとされています。

ダイエット中は食事量が減るため、たんぱく質まで不足しがちです。たんぱく質は筋肉や肌、髪をつくる材料ですから、ここが足りないと体重は減っても、なんとなく元気が出ない、という状態になりかねません。玉子はその不足を手軽に補ってくれます。

②糖質がほとんど含まれない

玉子1個に含まれる糖質は、およそ0.2g。ごはん茶碗1杯が約55gであることを考えると、ほぼゼロといってよい量です。糖質を控えたい方にとって、量を気にせず取り入れられるのは大きなメリットでしょう。

③腹持ちがよく、間食を抑えやすい

たんぱく質と脂質は、糖質に比べて消化に時間がかかります。そのため玉子を食べると満足感が続きやすく、「食べてすぐお腹がすく」という状態になりにくいのです。朝に玉子を食べておくと、昼までの間食が自然と減ったという方も少なくありません。

実は「食べ方」で変わる、たんぱく質の消化吸収率

生卵は約51%、加熱すると約91%

ここからが本題です。同じ玉子でも、生で食べるか加熱して食べるかで、たんぱく質の消化率が大きく変わることが報告されています。ある研究では、加熱した玉子のたんぱく質の消化率が約91%だったのに対し、生卵では約51%にとどまったという結果が示されました。

つまり生卵の場合、せっかくの良質なたんぱく質のうち半分近くが、体にいかされないまま通り過ぎてしまう可能性があるということです。

なぜ加熱すると吸収率が上がるのか

理由は主に2つあります。

  • たんぱく質の構造が変化する……加熱によってぎゅっと折りたたまれた構造がほどけ、消化酵素が働きかけやすい状態になります。白身が透明から白く固まるのは、まさにこの変化が起きているサインです。
  • 消化を妨げる成分が失われる……生の白身には、消化酵素の働きを妨げる成分が含まれています。この成分は熱に弱いため、火を通すことで影響が小さくなります。

ただし「加熱しすぎ」には注意

では固ければ固いほどよいのかというと、そうとも言い切れません。極端に長時間・高温で加熱すると、たんぱく質が過度に硬くなり、かえって消化しにくくなることが知られています。ゆで玉子なら沸騰後10〜12分程度、焼く場合も焦がさない程度がちょうどよい加減です。

調理法別|ダイエット中におすすめの玉子の食べ方

ゆで玉子

油を使わず、そのまま持ち運べる手軽さが魅力です。しっかり火が通るため吸収の面でも有利で、噛む回数が増えることで満足感も得られます。ダイエット中の玉子としては、まず第一候補です。

ポーチドエッグ

白身は固まり、黄身はとろりとした状態。油を使わずに作れて口当たりもよく、サラダにのせるだけで満足度の高い一皿になります。

目玉焼き・スクランブルエッグ

おいしい調理法ですが、油やバターの量には注意が必要です。フッ素樹脂加工のフライパンを使えば油はごく少量で済みます。

生卵・卵かけごはん

手軽でおいしいものの、たんぱく質を効率よくとりたいという目的から見ると、加熱したものに軍配が上がります。

ダイエット中に玉子を取り入れるコツ

朝食に取り入れると一日が整いやすい

たんぱく質は一度にまとめてとるより、3食に分けたほうが体にいかされやすいと考えられています。とはいえ朝食は最も手薄になりがち。ゆで玉子を1個添えるだけでも、その日のたんぱく質量は大きく変わります。

「1日1個まで」は昔の話

かつては、コレステロールを気にして玉子を控えるべきという考え方が一般的でした。しかし現在では、食事から摂るコレステロールが血中の値に与える影響は個人差が大きいとされ、日本の食事摂取基準でも上限値は設けられていません。健康な方であれば、1日1〜2個を目安に、過度に神経質になる必要はないとされています。

※脂質異常症などで医師から食事指導を受けている方は、その指示を優先してください。

玉子だけに偏らせない

玉子はビタミンCと食物繊維をほとんど含みません。野菜や海藻、きのこと組み合わせることで、栄養のバランスが整います。ゆで玉子と野菜スープ、といった組み合わせがおすすめです。

まとめ

玉子は、高たんぱく・低糖質・腹持ちのよさという三拍子がそろった、ダイエットを助けてくれる食材です。そのうえで覚えておきたいのが、「加熱したほうがたんぱく質を体にいかしやすい」という点。生卵で約51%、加熱で約91%という差は、毎日積み重なれば決して小さくありません。

難しいことをする必要はなく、ゆで玉子を1個、朝食に足すだけで十分です。今日の一皿から、始めてみてはいかがでしょうか。